• ホーム >
  • 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業
  • 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業

    「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」とは

    1)世界文化遺産としての価値

    わが国の近代化は、幕末における西洋技術の導入以来、非西洋地域で初めて、かつ極めて短期間のうちに、飛躍的な発展を遂げたという点において、世界史的にも特筆されるべき価値があります。

    その飛躍的な発展の大きな原動力となったのが、アジア大陸に近いという地理的特性により、古くから日本と海外を結ぶ窓口として発展してきた九州・山口です。

    九州・山口を中心とする近代化産業遺産群は、鉄鋼・造船・石炭鉱業の重工業部門に、西洋技術を移転し、発展した日本独特の産業革命のプロセスを証明する資産群であり、非西洋地域において、近代化の先駆けをなした経済大国日本の原点を訪ね、語り継いでいく上では、極めて重要な文化遺産群です。

    こうした文化遺産群の価値が認められ、平成27年7月8日に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は、ユネスコの世界遺産に登録されました。

    2)構成資産

    本遺産群は、8エリア、11サイト、23構成資産からなっています。

    3)推進体制

    関係地方公共団体の連携のもと、世界遺産への登録を推進するため、平成20年10月、鹿児島県知事を会長とする、「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会が設置されました。

    また、登録に必要な専門的な調査研究を行うため、海外専門家として、ニール・コソン卿(前イングリッシュヘリテージ総裁)ほか9名、国内専門家として、西村幸夫氏(東京大学教授)ほか7名、計16名からなる専門家委員会を協議会に設置しています。

    現在の、「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会(事務局:鹿児島県)の構成自治体は、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、山口県、岩手県、静岡県、北九州市、大牟田市、中間市、佐賀市、長崎市、荒尾市、宇城市、鹿児島市、萩市、釜石市、伊豆の国市(平成25年4月1日現在)です。

    4)特徴
    ア)産業遺産

    「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は、その名のとおり、「産業遺産」です。これまで日本で「産業遺産」で「世界遺産」となったのは、石見銀山だけでした。

    「産業遺産」とは、次のようなものを指します。

    歴史的、技術的、社会的、建築学的、または科学的価値のある産業文化の遺産のことです。産業遺産には、建物、機械、工房、工場及び製造所など、生産施設そのものだけでなく、輸送施設、生産物を消費する場所、住宅、宗教礼拝、教育など産業に関わる社会活動のために使用されるいろいろな場所も含まれます。(ニジニータギル憲章<2003年7月>)

    なお、世界遺産の場合、産業遺産の保全については、そもそも産業施設が「美的な景観」を目的として作られたものではないことから、様々な国際憲章により、「産業遺産を美的に整備してはならない」とされています。つまり一般的によく目に触れる世界遺産のように、綺麗で、きらびやかに整備してしまうと、その価値が大きく損なわれるとされています。

    イ)シリアル・ノミネーション

    「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は、8県11市28の資産で構成されており、シリアル・ノミネーションによる世界遺産登録をはたしました。

    なお、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」は、「日本の近代工業化の先駆け」というストーリーで構成していることから、各構成資産は1850年から1910年までに作られた建造物等を対象としています。

    「シリアル・ノミネーション」とは、次のような意味です。

    一つ一つでは顕著な普遍的価値(OUV)の要件を満たさない遺産を、同じ歴史・文化群のまとまりとして関連づけ、全体でOUVを有するものとして、世界遺産に推薦することをいう。シリアル・ノミネーションの構成資産の分布は、一国内の場合もあれば、複数の国にまたがる場合もある。(出典:「世界遺産条約履行の為の作業指針」世界遺産委員会より)

    各資産は、九州・山口を中心に、釜石市(岩手県)や伊豆の国市(静岡県)にも点在しており、各資産のある自治体と連携した取り組みを推進していきます。

    ウ)稼働資産を含む

    「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」には、本市の三池港のほか、新日鐵八幡製鐵所(北九州市)、三菱重工業株式会社長崎造船所(長崎市)、及び橋野高炉(岩手県釜石市)の一部は、約100年前から現在も稼働を続けており、こうした稼働中の資産を「稼働資産」と言います。

    こうした稼働資産を、世界遺産にした事例がこれまで日本にはありませんでした。
    稼働資産の課題は、世界遺産としての価値を保全しつつ、経営に与える影響を最小化にとどめるよう、保全と経営の両立を図ることです。

    稼働資産の取扱いについては、平成24年5月※「稼働中の産業遺産又はこれを含む産業遺産群を世界遺産登録に向けて推薦する場合の取扱い等について」が政府により閣議決定されました。

    今後は、政府により閣議決定された新たな枠組みに基づき、国や稼働資産の所有者、利用者等と連携を図りながら、取組みを推進していきます。

    5)これまでの取り組み

    「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の世界遺産登録に向けては、構成資産の保全を図り、平成25年度の政府推薦書提出、平成26年度の国際非政府機関国際記念物遺跡会議(イコモス)による審査を経て、平成27年度の世界遺産委員会での登録決定を目指します。

    「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の世界遺産本登録に向けたこれまでの取り組み
    年 度 全体の動き 大牟田市の動き
    H17年度 ・九州近代化産業遺産シンポジウム(7月:鹿児島)  
    H18年度 ・九州地方知事会の政策連合の項目として、「九州近代化産業遺産の保存・活用」を決定(6月)  
    H20年度 ・「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会の設置(10月)
    ・ユネスコの世界遺産暫定一覧表に追加記載(1月)
     
    H21年度 ・専門家委員会による提言書のとりまとめ(10月)
    ・専門家委員会による推薦書原案のとりまとめ(2月)
     
    H22年度   ・世界遺産登録推進室を企画総務部に設置(平成22年4月)。
    ・世界遺産登録推進本部(庁内推進組織)を設置(平成22年6月)
    H23年度   ・平成23年度は、世界遺産登録推進セミナー2010、市長の出前講座、世界遺産カフェ in Miike、「目指せ世界遺産」連続講座等の啓発・公開事業を実施。
    ・海外専門家等の視察調査の受入れ。
    H24年度 ・「稼働中の産業遺産又はこれを含む産業遺産群を世界遺産登録に向けて推薦する場合の取扱い等について」が閣議決定される(5月)
    ・世界遺産シンポジウム(平成25年1月:北九州市)
    ・国指定史跡三井三池炭鉱跡の追加指定に関する意見具申書提出(7月)
    ・「大牟田市近代化産業遺産を活用したまちづくりプラン」策定(9月)
    ・文化庁文化審議会が、史跡三井三池炭鉱跡の追加指定について答申 (11月)
    ・近代化遺産一斉公開(11月3日)
    ・「日本の近代化産業遺産群ー九州・山口及び関連地域」公開講座の実施(平成25年1月~3月)
    ・史跡三井三池炭鉱跡の追加指定官報告示(3月)
    ・史跡三井三池炭鉱跡宮原坑跡専用鉄道敷跡保存管理計画策定(3月)
    ・三池地区管理保全協議会(非稼働資産)開催(3月)
    ・荒尾市との定住自立圏形成協定締結(3月:近代化遺産の保全事項)
    ・その他、地域説明会、出前講座や宮原坑での定期公開等、近代化産業遺産の啓発・公開事業を実施。
    ・海外専門家等の視察調査の受入れ
    H25年度 ・「明治日本の近代化産業遺産群 九州・山口及び関連地域」推薦書案を政府に提出(4月23日)
    ・稼働資産を含む産業遺産に関する有識者会議(8月27日)
    ・政府が世界文化遺産として推薦することを発表(9月17日)
    ・世界遺産条約関係省庁連絡会議において、政府推薦案件として決定(9月20日)
    ・世界遺産条約関係省庁連絡会議において推薦書提出を決定(1月15日)
    ・政府が世界文化遺産として推薦することを閣議了解(1月17日)
    ・推薦書のユネスコ世界遺産委員会受理(1月29日)
    ・内閣官房、関係省庁、九山協議会により適時イコモス審査に向けたシミュレーション等を実施(3月)
    ・世界遺産登録・文化財室に改組(4月)
    ・三池地区管理保全協議会(稼働資産)開催(6月)
    ・大牟田市近代化産業遺産を活用したまちづくり協議会の設立(7月)
    ・スポーツゴミ拾い大会in宮原坑(7月・11月)
    ・「明治日本の産業革命遺産」の政府推薦決定記念セミナー及び三池港の一般公開、鉄道敷ウォーキング等の開催(9月)
    ・近代化遺産一斉公開(11月3日)
    ・三池港周辺地域との鉄道敷跡の清掃活動(12月)
    ・世界遺産登録推進セミナーin石炭館(平成26年3月)
    ・小学生バス見学会の開催(市内全小学校6年生対象)
    ・その他、地域説明会、出前講座や宮原坑での定期公開等、近代化産業遺産の啓発・公開事業を実施。
    ・海外専門家等の視察調査の受入れ
    H26年度 ・内閣官房、関係省庁、九山協議会により適時イコモス審査に向けたシミュレーション等を実施(4~9月)
    ・産業遺産国際会議(7月14・15日)
    ・「福岡県近代化産業遺産」世界遺産連絡会議 世界遺産セミナー(全3回)
    ・諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)による現地審査(9月26日~10月5日)
    ・建設業協同組合によるボランティア清掃(8・10月)
    ・スポーツごみ拾いin宮原坑(9月)
    ・三池港周辺の清掃活動(9月)
    ・列島クリーンキャンペーン(11月2日:宮原坑で実施)
    ・近代化遺産一斉公開(11月3日)
    ・その他、出前講座や宮原坑での定期公開等、近代化産業遺産の啓発・公開事業を実施。
    H27年度 ・イコモスによる評価結果及び勧告の通知(5月4日)
    ・世界遺産委員会において世界遺産一覧表記載可否について審議(7月5日)